かんしゃくの くの字を捨てて ただ、かんしゃ

こんな話を聞いたことがあります(^_^)

昔、中国に伯瑜という人がいました。
母親は生来短気で、しばしば伯瑜を激しく鞭打った。
伯瑜はしかし、その鞭の下から親の恩を感じ、
なんとか孝養を尽そうと母につかえていました。

ある時、例によって、たいしたことでもないのに母親は、
伯瑜を引っ捕らえて打って打って打ちのめす。

ところがその日の伯瑜は、何時もと違って鞭打たれるたびに、
大きな声で泣き悲しむ。

何時もと様子が違うので、さすがの母も打つのを
止めて訳を尋ねました。

伯瑜はその時、泣きの涙で訴えた。

「お母さん。お母さんはこれまで私を良くしようの一心から、
しばしば強く鞭打って下さいました。
何時もお母さんの鞭には強い力がこもっておりました。
大変痛うございましたが、今日の鞭は少しも身にこたえません。
これはてっきり、お母さんのお身体が衰えられたに違いないと
案じられて、それが淋しく悲しくてなりません」

過酷な鞭の下でもなおひたすらに、母の健康を案じた
伯瑜の孝心に、母も前非を悔いたのでした。

これは『今昔物語集』に出てくる、

幼い頃に父を亡くし、母親とともに暮らし、
深い心遣いで母親の面倒をみていた伯瑜の話です。

こんな心になれたら、凄いなぁ。。と思います(^_^;)
本当に私のことを思って叱ってくれている場合でも、、

そう受け止められず、かつて、どれだけかんしゃく
を起こしてきたことか。

今も、起こしていることか。

恩人に対しても。

『美術館の絵』

美術館から一人の紳士が出てきた。
インタビュアー「どんな絵が印象に残っていますか?」

紳士「湖の絵だね。」

しばらくして、美術館から一人の婦人が出てきた。
インタビュアー「どんな絵が印象に残っていますか?」

婦人「子どもたちの絵ですわ。」

しばらくして、美術館から一人の老人が出てきた。
インタビュアー「どんな絵が印象に残っていますか?」

老人 「雲の絵じゃ」

その後、インタビュアーは美術館に入って驚いた。
その美術館に展示してあったのは彫刻品ばかり。

絵は、たった1枚しか展示されていなかったのです。

その絵には、きれいな湖が描かれ、
その湖で、子どもたちが楽しそうに泳ぎ、
そして、空には印象的な形の雲がいくつも描いてあった。

3人とも同じ絵を見ていたのです。

焦点を合せたところ以外は、
すべて背景となり、印象に残らなかったのでしょう。

『町の住人』

ある町の入口に老人が座っていた。

そこに、よその町から一人の若者がやって来て、
老人に話しかけた。

若者「私は、この町に引っ越してくることになりました。

   この町の人たちは、どんな人たちですか?」

老人「君が今まで住んでいた町には、

   どんな人たちが住んでいたかね?」

若者「自己中心的で不親切な人が多かったです。」

老人「この町も同じようなものじゃ。」

しばらくして、また、よその町から別の若者がやって来て、
その老人に話しかけた。

若者「私は、この町に引っ越してくることになりました。

   この町の人たちは、どんな人たちですか?」

老人「君が今まで住んでいた町には、

   どんな人たちが住んでいたかね?」

若者「親切でやさしい人が多かったです。」

老人「この町も同じようなものじゃ。」

数ヶ月が過ぎ、二人の若者は、それぞれ同じことを思った。
「あの老人の言ったとおりだ。前の町も、この町も一緒だ」

最初の若者は、相手の自己中心的なところに焦点を
合せる人だったのです。
「自分の周りは、自己中心的な人だらけ」と感じられます。

一方、後の若者は、相手の親切なところを見て、
「自分は人間関係に恵まれているなぁ」と感じる人。

さらに、人間関係においては、ピグマリオン効果も働きます。
ピグマリオン効果とは、ある人に対して「この人は○○な人だ」
と信じて接すると信じたとおりの人になりやすい、
という効果のこと。

たとえば、あなたが、ある人のことを「親切な人だ」
と信じて接すると、
あなたに対して親切をしてくる傾向がある。

また、同じ人に対して「不親切な人」だと信じて接すると、
あなたに対しては、本当に不親切な行動を起こす
傾向があるそうです。

このピグマリオン効果によって、前の若者に接する人は、
ますます自己中心的で不親切な人になるでしょう。
後の若者の周囲は、次々に親切で優しい人になる。

感謝できる人は本当に幸せな人です。

人や物から様々な恩を受けているのが私達なのだと、
仏教では、つねに、

知恩(恩を知りなさい)
感恩(恩を感じなさい)
報恩(恩に報いなさい)

が説かれます。

「かんしゃくの くの字を捨てて ただ、かんしゃ」

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