人間関係がうまくいき、幸せの輪が広がる“言辞施”-上手に褒めるときのポイントは?

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(↑記事の内容を動画でもご紹介しています)

オンライン仏教アカデミーの南です。

人とのつながりに希薄さを感じ、うまくいかない人間関係に悩んでいる方は多いと思います。

相手から認められ、優しく接してもらえるなど、良好な人間関係を得るにはどうすればいいのでしょうか。

それには、仏教を説かれたお釈迦様が「幸せになりたければ、与えなさい」と勧められているように、自分から相手を喜ばせること、相手を幸せにすることが大切です。

では、相手が喜ばれることとは、どんなことでしょうか。

お釈迦様は、お金や 財産 が無くても、特別な能力が無くても できる施し、親切があると教えられています。

それが「無財の七施(むざいのしちせ)」です。

前々回・前回と、1つ目に挙げられている「眼施(げんせ)」、2つ目の「和顔悦色施(わげんえっしょくせ)」という種まきについてお話ししました。

前々回の眼施・和顔悦色施についての詳細はこちら

周囲から認められ、優しくされるには?今すぐできる、仏教で説かれる“幸せになれる種まき”

前回のマイナスな笑顔、本物の笑顔の違いについての詳細はこちら

実はマイナスな印象を与える笑顔と、好印象を与える”本物の笑顔”とは?仏教で説かれる「幸せの種まき」

今回は3つ目に挙げられている「言辞施(ごんじせ)」をご紹介します。

幸せになれる種まき③ 言辞施

3つ目の「言辞施」とは、「優しい言葉をかけること」です。

「体調、大丈夫ですか? 無理せずに、体に気をつけてください」という気遣いの言葉や、

「あなたのサポートのおかげで、うまくいきました。とても助かりました」という貢献を称える言葉、

あるいは、「結果は残念だったけれど、あなたのがんばりは素晴らしかった。きっと良い結果につながると思うよ」という激励の言葉を聞くと、嬉しく、満ち足りた気持ちになりますね。

うまくいったときに労いの言葉をもらえると、「よし。次ももっとがんばろう」とモチベーションが高まります。うまくいかずに落ち込んだときにも慰めの言葉をかけられると、その優しさが心に染みわたり、気持ちが癒やされ、立ち直る力になりますね。

心がけさえあれば誰でも実行できて相手に喜んでもらえ、しかも元気になった相手からも励ましてもらえることもあるでしょう。

前向きな言葉1つで、幸せな輪を広げることもできるのです。

上手に褒める秘訣

気遣いの言葉をかけるときは、相手により喜んでもらえるのに越したことはありませんね。

では相手がもっと喜ばれるにはどうすればいいのでしょうか。

アメリカの精神科医 ハリー・レヴィンソン氏は、相手を褒めるときの注意点として「漠然とした褒め言葉では大きな効果はない」と語っています。

何も言わないのもよくないですが、漠然とした褒め言葉であっても相手を困惑させるかもしれません。「えっ、何のこと?いつのことを言っているのかな?」と。

それとは反対に、具体的なものであればあるほど、相手は心から喜ばれるでしょう

「あなたの助言どおりしてみたところ、行き詰まった状態から抜け出せました」
「あなたの勧めてくれたサービスを使ってみたら、こんないいことがありました」
「あなたがいてくれると、雰囲気がとても良くなり、『今日は楽しかった』と言ってくれる人が増えました」など、

自分の気持ちや行動がどう変わったか、どんな変化があったのかを言ってもらえると、相手は「役に立ててよかった」と感じ、より幸せな気持ちになるのですね

ためらわずに言辞施を実行するポイント

いざ相手を励まそう、称賛を伝えようと思っても、気恥ずかしさからなかなか実行に移せないこともあると思います。

ためらわずにスッと言葉がけをするにはどうすればいいのでしょうか。

ポジティブ心理学についての解説をされた『幸福優位 7つの法則』のなかで、このようなエピソードが紹介されています。

ある営業部門のトップリーダーは、部下を褒めたり励したりして、チームにポジティブな態度を広めたいと思いつつも、元々非常に控えめで実直な性格であったため、機会損失を続けていました。

「部下を元気づけるためにどんなことを言おうか、誰に言おうか、いつそれを口にすべきか、どれくらい褒めればいいのだろうか」と迷っているうちに、何も言えずじまいで会議が終わる、ということが繰り返されていたのです。

迷ってためらって、どうしようかと悩んでいるうちに機会を逸してしまう。そんなときは、前もってルールを決めておくことで、やらずじまいを防ぐことができます

このリーダーの場合は、

  1. 会議室のドアを開ける前に、褒めたいと思う部下を誰か一人、頭に浮かべる
  2. 会議が始まる前にその部下に話しかける
  3. まずは簡単な言葉で褒める

というルールを作成したのです。

このルールに従えば、あれこれ悩むこともなくなり、グッと実行がしやすくなります。

ルールを決めてから1か月後、このリーダーはルール通りのことを楽にできるようになっただけでなく、会議中にほかの人にもポジティブなコメントが言えるようになった、と語っています。

これは言辞施の実践に限らないことであり、慣れないことをやってみるときには、ぜひ事前のルール作りにも力を入れてみることをお勧めします。

相手がより喜ばれ、ためらわずに実践するポイントを押さえて、まず目の前の人への言葉がけからぜひ始めてみてください。その優しい言葉は相手を幸せにするだけでなく、自分もまた優しくされることにつながり、幸せ・喜びの輪が広がっていくでしょう

 

参考にした書籍:

『幸福優位7つの法則』(ショーン・エイカー著、徳間書店)