しあわせの法則 5回目


(前回まで)

 まいた種の生え方にも2通りあるとは?


「まいた種の生え方にも、
2とおりあると教えられてるのよ。

 1つは

『等流因等流果(とうるいんとうるか)』。

 これは、まいた因と現れる結果が同質のもの。
例えば、

『殴ったら、殴り返された』

『悪口を言ったら、悪口を言われた』

 などね。

『親捨てた 報いで子にも 捨てられる』

 とか、

『呼べば呼ぶ 呼ばねば呼ばぬ 山彦ぞ まず笑顔せよ みな笑顔する』

 と言われるように、人間関係でも、他人を尊重しない人が、他人から尊重されるはずはないし、相手を大切にしない人が、相手から大切にされるはずもない。

 愛する人が愛されるのも、やっぱり因果の道理でしょ?」


(そっか。みんなをバカにしてたから、みんなからバカにされたんだ……)

 ゆず葉は、思い当たる節がありすぎて心の中で、何度もうなずいていた。

 カリンの話は続く。

「もう一つは

『異熟因異熟果(いじゅくいんいじゅくか)』。

 これは、因と果が異質のもので、

 例えば、

『悪口を言ったら、財布を落とした』

 とか

『泥棒したら、家が火事に遭った』

 など単純には因と果の関係が分からないもの。

 こうなると、私たちには、具体的な原因は知りようがないわね。

 でも、結果が同質であれ異質であれ、善因は善果、悪因は悪果を生み出すことに変わりはないわ。

 だから、『正直者がバカを見る』こともないし、『努力がムダになる』ことも絶対ない。

 私、この因果の道理を知ってから、無気力なアキラメ主義が吹き飛んで、大げさじゃなくて、ほんとに人生が変わっちゃった。

 ゆず葉も、頑張って」

 そう言ってカリンは、おやすみのあいさつをした。


 その後、ゆず葉は……

 カリンから聞いた「因果の道理」は胸にチクチク痛かった。

 翌朝、ゆず葉は、同僚たちに思い切って声をかけてみた。

「書類ありがとう。作るの大変だったでしょ」

「この間の発表、よかったよ」

「あなたのおかげで、助かったわ」

 その時の、みんなのぎょっとした顔を今も忘れない。

 ”よっぽど今までのタネまきが悪かったんだわ”

 我ながら苦笑した。

 それからである。

 ゆず葉の身に、ハッピーなことが起こり始めた。

 何より気持ちが明るくなって、何事にも前向きに取り組めるようになった。

 他人をけなすこともなくなった。

「運命は自分の行いで変えることができるんだ」

 ゆず葉の中に、確かな自信が芽生えはじめていた。


「しあわせの法則」編(まとめ)

○運命は自らの行為が生み出すもの。

○まいた種は必ず生える。

○遅い早いはあるけれど、善い行いをすれば、必ず善果(善い運命)がその人にやってくる。

○だから自分が変われば、人生が変わる。

 

『次回から、「しあわせの鏡編」』

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