新型コロナウィルスで、世の中が大きく変化し、ますます先の見えない不安の時代になりました。そんな今の時代、最も大切なことが、生きる意味だと言われています。
JALの再建をし、京セラの創始者である、稲盛和夫さんの主著とも言える『生き方』の中に、この様に言われています。

「私たちはいま 、混迷を極め 、先行きの見えない 「不安の時代 」を生きています 。豊かなはずなのに心は満たされず 、衣食足りているはずなのに礼節に乏しく 、自由なはずなのにどこか閉塞感がある

(中略)

それは 、多くの人が生きる意味や価値を見いだせず 、人生の指針を見失ってしまっているからではないでしょうか そういう時代にもっとも必要なのは 「人間は何のために生きるのか 」という根本的な問いではないかと思います 。」

(稲盛和夫・『生き方』)

やる気があれば、どんなものでも手に入れられ、やろうと思えば何でもできるはずにも関わらず、無気力な人が増え、中には、犯罪や不祥事に手を染めてしまう人があります。そんな混沌とした時代に、今一度、向き合い、考え直すべきことが、この「人間は何のために生きるのか」という「生きる意味」だと言われています。それは、この生きる意味が、私達の営みの根っこにあるものだからです。

現代は、誰もが1台はスマホを持ち、便利になりました。あれがあるともっと効率があがるだろうと思うものはあっても、なくて困っているという事はほとんどないありません。しかし、どれだけ便利になっても、どこかむなしく、物足りなさ、これじゃないと感じることはないでしょうか。

快適になれば、今よりは良くなるだろうと思って、科学技術が進歩し、物が増え、娯楽にも囲まれる様になりました。お金も欠けずに充分に楽しめるものに恵まれています。

周りから見れば、それ以上、何を求めるのか、と思われる生活をしていても、心に霧がかかっている様な状態であり、どこにあるのか、どんな形をしているかも分からない欠けたピースを探している様な状態です。どうすれば、心が満たされるのか、何をすれば、心からの安心を手に入れられるのか、それこそ、「生きる意味」の答えです。

その「生きる意味」を考えずに、走り続けるのは、闇夜に鉄砲を撃っている様なものであり、地図を持たずに初めていく土地を旅する様なものです。

「生きる意味」を知れば、先の見えない世界であっても、安心して生きられます。

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